【ラマダン】2021年(1442 H)ラマダンチャレンジ 6日目

インドネシアのみならず世界じゅうのイスラム教徒の1年に1回の重要な行事、ラマダンが始まって6日目。

筆者も個人的に思うところがあって、イスラム教徒のインドネシア人の文化・習慣の一つを身をもって体験し、理解することを兼ねて、30日間、大胆にも断食にチャレンジする企画。

本日は、地域(場所)における断食時間帯の違いについて解説いたします。

 

(リマインド)断食する時間帯

4日目の投稿にも書いた通り、夜明け前から日没までの間が一切の飲食を断つ時間帯です。
夜明け前(夜更け)は、日の出の約1時間半前の(古語でいう)「暁(あかつき)」の時間帯に相当します。

ちなみに、本日(2021年4月18日)の大阪における「暁」は午前3時53分、日没が午後6時(18時)33分です。

Fajar 18 Apr
(出典: アプリ Muslim Pro より)

 

 

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日本国内でも、場所によって時間帯が異なる

日本標準時(Japan Standard Time)は東経135度の標準子午線の時、言い換えれば東経135度の地(兵庫県明石市の明石市立天文科学館など)にて正午に太陽が真南にある時(南中時刻が正午)と定めており、これを日本全土で適用していますので、日本全国どこでも同じ時刻(つまり国内で時差なし)となっています。

Akashi Municipal Planetarium
明石市立天文科学館(この時計塔が東経135度)
(出典: 一般社団法人明石観光協会内のページ https://www.yokoso-akashi.jp/facility/2503 より拝借)

 

しかし、実際の南中時刻(太陽が真南になる時刻)は、日本各地でも当然異なります。

Meridian
(出典:明石市立天文科学館ツイッター2020年6月4日投稿)より拝借)

関西と関東でも約20分異なり、関西と九州でも約20分異なります。
北海道の根室と九州の鹿児島や長崎とでは、1時間も異なります。(経度が15度異なると1時間異なる)

このことは、当然、夜明け前の時刻、日の出の時刻ないし日没時刻も場所によって異なることを意味します。
断食開始時刻と断食明け時刻はその国の標準時に合わせているわけではありません。
その地における夜明け前の時刻に断食開始し、その地における日没時刻に断食を終了します。

Waktu beberapa tempat Jepang
(出典: アプリ Muslim Pro より)

本日で見てみても、根室(北海道)の断食開始時刻は午前2時45分、那覇(沖縄)の断食開始時刻は午前4時42分と、約2時間も差があります。
朝のサフール(Sahur)とよばれる断食開始前の朝食を食べる時間は、沖縄へ行くと最も余裕がある、ということになります。

 

世界では、緯度による差が影響する

では、緯度別にみてみましょう。

左から順に、
ウェリントン(ニュージーランド)、
ジャカルタ(インドネシア)、
大阪(日本)、
レイキャビク(アイスランド)

Waktu Dunia
(出典: アプリ Muslim Pro より)

PetaPutih
(出典: 白地図専門店 より公認無料ダウンロード後、筆者書き加え)

現在は春分の日を約1ヶ月過ぎ、夏至に近づいているので、南中時の太陽は赤道より北にあります。

よって、
・ 南半球は昼が短くて夜が長い
・ 北半球は昼が長くて夜が短い
ということで、夏至の日にこれが最大になります。

 

本日で見てみてみると、

ウェリントン(ニュージーランド):断食開始5:38、断食終了17:46
ジャカルタ(インドネシア):断食開始4:38、断食終了17:54
大阪(日本):断食開始3:53、断食終了18:33
レイキャビク(アイスランド):断食開始3:09、断食終了21:11

南半球のニュージーランドだと、断食時間が約12時間あり、飲食可能な時間も約12時間あります。
一方、北極に近いアイスランドだと、断食時間が約18時間もあり、飲食可能時間は約6時間程度しかありません。
(夏至の日には、アイスランドでは断食開始は2:00、断食終了は0:08で、理論上、飲食可能時間はたった2時間となってしまいます。)

 

白夜の場合は??

もっと北、北極圏であるスバールバル諸島(中心都市ロングイェールビーン)の本日は、

Waktu Svalbard
(出典: アプリ Muslim Pro より)

Fajr(夜明け前:暁):0:00、Magrib(日没):0:00
これ、意味わかりますか?

これは、日が沈まない、つまり、白夜を意味します。
理論上、日が沈まないので、一切食べることはできない、なんてことになってしまいます。

 

本当にこの通りにしてしまうと、当然、死んでしまいます。

このような極端な場合は、同じノルウェーの首都オスロの時間帯に合わせて実施したり、イスラムの聖地メッカの時間帯に合わせたりして、(いわゆる)まともな断食時間帯を自分で(或いはその地域のムスリムコミュニティ内で)決めて実施するそうです。

アイスランドも夏至の日には白夜にはならないとはいえ、非常に極端な時間帯の部類に入ると言えますので、メッカなど他の(まともな)時間帯に合わせて実施することも可能だそうです。
(日没はするので夜明け前までのわずかな時間に食事をかきこむムスリムもいるそうですが、無茶して体を壊すことが本位ではないため、極端な場合はメッカなどの時間に合わせていいことになっているそうです。)

理論上の太陽が云々ではなく、ムスリム個々の「自らの意思」であるため、極端な時間帯の場合は自分たちでどこの時間帯に合わせて実施するかを決めて実行する、ということです。
今ではMuslim Proのようなアプリも発達していますので、各地の正確な断食時間帯を知ることも可能ですからね。

白夜の反対、極夜(一日中、日の出がないこと)の場合は一日中飲食できるとなりますが、この場合もムスリム個々の意思次第ということだそうです。
(極夜に甘えて全く断食しないか、メッカなどの時間帯に合わせてきちんと断食するかは、当の本人次第)

これまた極端な例ですが、ムスリム宇宙飛行士が宇宙空間に滞在する場合は、地球上の出発地の時間帯に合わせるのだそうです。

 

 

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本日の朝食(サフール:sahur)と夕食(イフタール:iftar)

本日のFajar(暁:夜明け前)3:55、Magrib(日没)18:35
前夜の就寝時刻 0:15、起床時刻 2:50 (前日は寝すぎてあまり寝られず)
仕事は休み(日曜)

Sahur18Apr
朝食(サフール:Sahur):3:36食事完了

 

Iftar18Apr
夕食(イフタール:Iftar):19:07
(食べている途中で画像撮り忘れに気づいたので、少し食べさしでスミマセン)

 

 

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