【レポート】ジャカルタの空港連絡鉄道

ジャカルタ市内とスカルノ・ハッタ国際空港を結ぶ空港連絡鉄道「RAILINK」に乗車してみましたので、そのレポートと所感を述べてみたいと思います。

 

市内の乗降車駅は、市内中心部

ジャカルタ市内から空港に向かって乗車しました。

ジャカルタ市内の空港連絡鉄道「RAILINK」乗車駅は、BNI City駅(別名、スディルマン・バル(Sudirman Baru)駅)。

スディルマン・バル駅、すなわち「新スディルマン駅」の別名のごとく、首都圏近郊電車のため「コミューターライン」のスディルマン駅(Stasiun Sudirman)の西隣に新設された、空港連絡鉄道「RAILINK」専用駅です。

(Baru = 新しい)


 

「コミューターライン」のスディルマン駅のすぐ西を南北に走るのが、スディルマン通り(Jalan Sudirman)というジャカルタ市内の大動脈の一つです。

ですので、タクシーまたはGrabでBNI City駅まで来る、あるいは空港からBNI City駅に到着してからタクシーに乗って(またはGrabを呼んで)目的地に向かう、のいずれも、アクセスはいいかと思います。

・・・市内が渋滞していなければ、ですが。

 

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乗車券は現金で買えない

実は、開業して1年ほど経った今でも、何故か乗車券を現金で買うことはできません

駅の券売機には、紙幣や硬貨の投入口はありません。
あるのは、カードリーダーだけです。

ここにクレジットカード、デビットカードまたはインドネシアのマネーカード(プリペイドカード)を通すことで購入ができるというものです。

VISA、MASTER、JCB などが使える、とあります。

出典:RAILINK公式ホームページ内:https://reservation.railink.co.id/

 

ですが、その時その時のカードとの相性が問題なのか、日本で発行のカードが使えないのかは定かではありませんが、私のクレジットカードの JCB、MASTER いずれもエラーで購入できませんでした。
(VISA デビットカードも所有しておりましたが、こちらは確認しておりません)

普通にクレジットカードで購入できたという日本人の方もいらっしゃいますので、日本で発行のカードが使えないわけではないと思われます。私の場合たまたま拒否られたのかもしれません。
(私のカードは、その後の買い物には通常通り使用できましたので、この時カード使用が停止されていたわけではありません。)

 

運賃は約700円

結局、この時一緒にいたインドネシア人同行者のデビットカードを使わせてもらって、無事購入…


乗車券。降車駅で改札を出るまで捨てずに持っておく必要があります。

 

運賃は、BNI City駅 – 空港駅間で片道7万ルピア(Rp.70.000、約700円)
後述しますが、決して安くはありません。

また、乗車券さえ買えばどの電車にも乗車できる、、、、というわけではありません。
乗車する電車と座席は、決められています

乗車する電車については、乗車券購入時に、どの電車(何時発車の電車)にするかを選択できます。
座席は、自動的に割り振られますが、2人分で購入した場合は隣同士の座席に、3人分で購入した場合は、隣同士2人と近くの座席にもう1人、という感じに割り当てられます。

 

電車は30分に1本。

BNI City駅発空港駅行き時刻表(2019年5月現在)


出典:RAILINK公式ホームページ内:https://www.railink.co.id/index.php/jadwal/en

空港駅発BNI City駅行き時刻表(2019年5月現在)


出典:RAILINK公式ホームページ内:https://www.railink.co.id/index.php/jadwal/en

 

公式ホームページにも掲載の通り、電車の本数は30分に1本です。
BNI City駅と空港駅を約40分で結んでいます。

2019年5月現在、ジャカルタの東隣ブカシ(Bekasi)市にあるブカシ駅(Stasiun Bekasi)には1日4本だけ乗り入れていますが、将来的にはここから空港までを運行するのが基本となりそうです。

 

空港連絡鉄道「RAILINK」車体

 

空港連絡鉄道「RAILINK」電車内

 

電車そのものは、普通に快適でした。

途中のドゥリ駅(Stasiun Duri)でスイッチバックしますので、進行方向が気になる人は、座席シートをどちらに向けて座っておくか、考えておいたほうがいいかもしれません。

 

空港駅からターミナルへの移動が、これまた面倒

空港駅の位置

ターミナル1とターミナル2の真ん中に空港連絡鉄道「RAILINK」空港駅があります。

しかし、ここに到着したからと言って、すぐに飛行機に乗るためのチェックインはできません。

各ターミナル間を結ぶエアロトレイン(無人自動運転電車)に乗り換える必要があるのですが、空港駅ですら、空港連絡鉄道「RAILINK」の駅とエアロトレインの駅の間の移動が不便です。

空港連絡鉄道「RAILINK」の駅の改札を出たらすぐにエアロトレインの駅が目の前にあれば非常に便利なのですが、ちょっと距離が離れており、また、エアロトレインの駅が高架になっているため、上り下りも発生します。

 


エアロトレイン

 

このエアロトレインも、頻繁に来てくれるわけではありません。15分程度に1本です。
運航本数は徐々に増えているものの、まだまだ少ないです。

各ターミナル駅も、ターミナルに隣接しているわけではありません。
エアロトレインの駅とターミナルが離れております。
ターミナル3は専用歩道があるものの、ターミナル1と2では、細い歩道を歩き、車道を横断しないとターミナルにたどり着きません。

 

総括(正直に感じた利用価値)

〇 渋滞の時間帯以外は、タクシーやGrabのほうが早い

〇 2名以上いる場合は、タクシーまたはGrabのほうが安い

〇 空港から市内へは、タクシーのほうが楽

〇 市内から空港へ向かうときで、大渋滞の時間帯であれば、利用価値はあるかも

〇 現金で乗車券を買えないのは、ネック

 

空港連絡鉄道「RAILINK」の、BNI City駅から空港駅まで約40分、ではあるものの、BNI City駅を発車してから空港のチェックインカウンター到着までが40分、ではありませんので、ここは誤解してはいけません。

・ BNI City駅での電車が発車するまでの待ち時間
・ 空港駅到着後のエアロトレイン駅への乗り換え(移動)時間と、エアロトレイン待ち時間
・ ターミナル駅からターミナルまでの移動時間

これ合算すると、BNI City駅を発車してから空港のチェックインカウンター到着まで1時間半ほどは費やしています。

特に、エアロトレインと空港連絡鉄道「RAILINK」との乗り換えと、ターミナルとエアロトレイン駅の移動時間は、思った以上にかかります。

しかも、スーツケースなど大きな荷物を抱えての、これだけの移動です。
荷物の大きさ(重さ)、電車の乗客の多さによっては、もっと時間を費やします。

 

空港連絡鉄道「RAILINK」の運賃は、BNI City駅 – 空港駅で片道7万ルピア(Rp.70.000、約700円)
日本の物価感覚からするとさほど高くないように感じますが、物価の安いインドネシアでは、高額な部類に入ります。
また、BNI City駅までのタクシーまたはGrabの運賃も無視できません

ジャカルタ市内のどこから乗車するかにも依りますが、スディルマン通りから乗車してタクシーで空港まで行った場合、渋滞がなければ約110万ルピア(Rp.110.000、約1,100円)

もし同行者がいた場合、かつ、渋滞がなければ、タクシーのほうが安くなります。
Grabを使うと、さらに安くなります。
(私がジャカルタ北部の「俺の餃子」の前から空港までGrabを使ったら8万8千ルピア(Rp.88.000、約880円)でした。)

また、渋滞がなければ、空港まで30分程度て到着します。
ホテルの玄関から各ターミナルの出発口までの、ほぼトア to ドアです。

 

逆に空港から市内へ移動する場合、長時間のフライトを終えて、入国審査と税関検査を終えてようやく出口に出た時には、結構疲れているものです。

そのような疲れているときに、乗り換えの利便性が決してよいとは言えないエアロトレインと空港連絡鉄道「RAILINK」を使ってBNI City駅まで移動して、ここからタクシーまたはGrabを拾って、、、と、あまりしたいとは思わないですよね(苦笑)。

私も、長時間のフライトを終えて入国した直後は、シルバーバード(タクシー大手のブルーバードグループ)のワゴンタクシーで真っ先にホテルへ向かいます。

 

タクシーやGrabの利点を述べたものの、時間帯によっては渋滞のために最悪3時間ほど費やすこともあります。
ジャカルタ市内や空港へ向かう高速道路は、夜中や早朝以外は万年渋滞のようなものですが、特に渋滞がひどいのは朝夕の通勤・退勤時間帯。
空港方面への高速道路の渋滞は、夕方の退勤時間帯が最も酷い傾向にあると思われます。

空港へ向かう場合であって、渋滞にハマりそうなの時間帯で空港到着の時間が読めない場合は、空港連絡鉄道「RAILINK」を使うほうが安全かもしれません。

 

ただ、乗車券は現金では購入できません。
日本で発行のクレジットカードが使えない場合もあります。

別の記事で紹介しますが、インドネシアのマネーカードの一つである「Flazz」というプリペイド式カードを1枚作って持っておくといいかもしれません。
(空港連絡鉄道「RAILINK」の乗車券は間違いなく購入できます)

 

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番外編:メダンの空港連絡鉄道も利便性悪い

スマトラ島・北スマトラ州メダンのクアラナム国際空港と市内のメダン駅を結ぶ空港連絡鉄道(こちらもRAILINKの運営)についてですが、、、

 

 

せっかくの空港連絡鉄道ではありますが、こちらはジャカルタよりも本数が少なく、ほぼ1時間に1本しか出ておりません。


空港→メダン駅
出典:RAILINK公式ホームページ内:https://www.railink.co.id/index.php/jadwal/en


メダン駅→空港
出典:RAILINK公式ホームページ内:https://www.railink.co.id/index.php/jadwal/en

 

私がメダンへ行った時、空港に到着して空港駅に行ってみると、タイミング悪く列車が出発した直後…
次の列車は1時間後。
列車に乗るためだけに1時間待つのもバカバカしかったので、タクシーで市内まで行きました。

列車のほうが安いのですが、メダンはジャカルタほど渋滞はしませんし、市内と空港を結ぶ道路はほとんど渋滞しませんので、よほど貧乏旅行をしていない限り空港連絡鉄道にこだわる価値はないと思います。

 

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