【文化】インドネシアの「未来へ(Kiroro)」?
Kiroro「未来へ」
Kiroro(キロロ)の歌、と聞いていくつか思い浮かぶ歌として、これを挙げる人は多いのではないのでしょうか?
Kiroro「未来へ」
出典:ビクター・エンターテインメント公式YouTubeチャンネルより
https://www.youtube.com/watch?v=jHlKVcAP9MI
「未来へ」は、Kiroroの2枚目のシングル曲であり、中学校や高等学校の音楽の教科書に掲載されたり音楽コンクールの課題曲になったり、あるいは卒業式で歌われたりもしていて、非常に有名な歌ですので、知っている方は多いかと思われます。
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インドネシア語の「未来へ」?
では、Kiroroの「未来へ」を聴いていただいた後、こちらを聴いてみてください。
出典:Askada Musik 公式YouTubeチャンネルより
https://www.youtube.com/watch?v=UtjFu8c_goE
あれっ?と思われた方も多いかもしれません。
最初のフレーズが、Kiroroの「未来へ」に非常にそっくりですので、インドネシア語のカバー?と思われた方も多いかと。
しかし、途中から「未来へ」とは全く別物のメロディ(ダンドゥット調)に…
Via Vallen さんの「Sayang」
この曲の題名は「Sayang」。
「ダーリン」とか「ハニー」という意味です。
歌っているのは、Via Vallen(フィア・ファレン)さんという、ダンドゥット歌手。
私は2017年9月にインドネシアに行った時に、現地の友人にYouTubeで聴かせてもらって「あれ?『未来へ』か?」と、正直思いました(笑)
帰国してから、インターネットでインドネシアのTVを見ていると、この曲が流れて(放映されて)いるのを耳にするようになり、2018年になるとさらに多くTVで放映され、やがてヒット曲に。
実はこの曲は、Kiroroの「未来へ」とメロディが同じように聞こえますが、カバー曲でもなければ、直接的には関係のない、別物の曲です。
「未来へ」を参考にして作られた可能性はありますが。
一部ではこの曲を「未来へ」のパクリか?という人もいるそうですが、私の知り合いの作曲家曰く、たとえメロディがほぼ同じだとしても、長調・短調を変えたものはコピーやパクリにはならない、オリジナルの曲として認められるそうです。
しかも、歌詞はインドネシア語だけでなく、ジャワ語も混ざっております。
(残念ながら私はジャワ語は解りません)
最初のワンフレーズ、「未来へ」に非常に似た部分だけ歌詞を抜粋すると、
Sayang, opo kowe krungu jerite atiku
ダーリン、私の心の叫びを聞いてるの?
Mengharap engkau kembali
君に戻って来てほしい
Sayang, nganti memutih rambutku
ダーリン、私が白髪になるまで
Ra bakal luntur tresnoku
私の愛は消えないよ
赤字:ジャワ語 青字:インドネシア語
(ジャワ語の部分は、ジャワ語-インドネシア語辞書アプリで調べました(笑))
このワンフレーズだけ見ても、恋人に裏切られたか逃げられたか、だけどまだ忘れられない、といった歌詞になっていて、Kiroroの「未来へ」とは全く違った世界になっています(笑)
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Via Vallen について
Via Vallen(フィア・ファレン)さんは、1991年10月1日生まれでスラバヤ(東ジャワ州)出身。
Via Vallen は芸名であり、本名は Maulidyah Oktavia(マウリディア・オクタフィア)。
ダンドゥットというインドネシア版大衆歌謡曲の歌手でありながら、本人はロックバンド、特にアメリカのエヴァネッセンス(Evanescence)というロックバンドグループが好きで、エヴァネッセンスの1stアルバム「Fallen」から芸名(Vallen)をつけた、と言われています。
出典:BolaSport.com 公式サイトより
https://www.bolasport.com/read/311425176/populer-lintas-negara-suara-via-vallen-terdengar-di-ruang-ganti-klub-malaysia-
2014年にデビューしたものの、その頃はまだまだ無名で、彼女の名前が一躍有名になったのは、この曲「Sayang」がヒットしてからのこと。
ちなみに、彼女のデビューシングルのタイトルは、「Selingkuh」。
(Selingkuh = 浮気、不倫)
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