【ラマダン】2021年(1442 H)ラマダンチャレンジ 12日目

インドネシアのみならず世界じゅうのイスラム教徒の1年に1回の重要な行事、ラマダンが始まって12日目。

筆者も個人的に思うところがあって、イスラム教徒のインドネシア人の文化・習慣の一つを身をもって体験し、理解することを兼ねて、30日間、大胆にも断食にチャレンジする企画。

本日から4日間、ドライフルーツの一つ、「デーツ」について解説いたします。

 

デーツとは?

デーツ(Date)とは、ナツメヤシの果実のことです。
インドネシア語ではKurma(クルマ)といいます。

 

KurmaPohon1
ナツメヤシの木
(出典: ニュースサイト LIPUTAN6 より拝借。該当記事 “Hikayat Pohon Kurma, Nabi dan Gurauan Ali bin Abi Thalib” (2017年6月20日記事)

いかにも、南国や砂漠地帯にありそうな感じの木だと思えます。

このナツメヤシは、果実を実らせます。
その果実が、これ。

KurmaPohon2
ナツメヤシの果実
(出典: ニュースサイト CNN Indonesia より拝借。該当記事 “Dinominasikan 14 Negara, Pohon Kurma Masuk Daftar UNESCO” (2019年12月18日記事)

 

これを収穫し、水分を飛ばしてドライフルーツにしたのが

KurmaBuah1
(出典: ニュースサイト KOMPAS.com より拝借。該当記事 “Mahasiswa MIPA UNY: Kurma Jadi Bahan Minuman Berenergi yang Aman” (2021年2月17日記事)

 

リンゴやみかん、イチゴにも多数の品種があるように、デーツにも多数の品種があり、その数は1000以上と言われています。
ドライフルーツ状のデーツは、ほぼ黄色であるものからオレンジ色、褐色、そして、真っ黒なものまで、多岐にわたります。
当然、品種によって、味、触感、甘さも異なります。

 

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なぜラマダンにデーツ

ナツメヤシは、人類が出現する以前から中東で生育していた植物で、最も古い果実とも言われています。
耐寒性はなく、乾燥に非常に強いため、中東や北アフリカの乾燥地帯で最も多く生育しています。

イスラム教の開祖、預言者ムハンマドが断食明けの最初に口にしていたのが、デーツと言われています。
断食明けの一口目にデーツを食べることは決まり事ではないのですが、イスラム教徒の間では習慣化されており、一日の断食明けの最初に水とデーツを口にする人は多いそうです。

それにあやかって、私も一日の断食明けには、最初にデーツを食べています。
(毎日の私の記事内の「本日のイフタール」をご覧ください)

 

デーツと健康

預言者ムハンマドが断食明けの最初に食べていたから、という理由だけでなく、科学的(健康的)にも、空腹のお腹に最初にデーツを入れることは、非常に理にかなっているのです。

 

デーツ100gあたりの成分(デーツと白米で比較)

カロリー: デーツ:266 kcal、白米:356 kcal
炭水化物(すなわち糖分): デーツ:71.3 g、白米:77 g
脂質: デーツ:0.2 g、白米:0.9 g
タンパク質: デーツ:2.2 g、白米:6 g
食物繊維: デーツ:7.0 g、白米:0.5 g
鉄: デーツ:0.8 mg、白米:0.8 mg
カリウム: デーツ:550 mg、白米:88 mg
リン: デーツ:58 mg、白米:94 mg
亜鉛: デーツ:0.4 mg、白米:1.4 mg
銅: デーツ:0.4 mg、白米:0.22 mg
(出典:文部科学省・日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

ピンと来ないかもしませんが、食物繊維やミネラルが豊富ということです。
断食明けの空腹時にこれらの栄養分を素早く吸収することができます。

 

また、空腹時に真っ先にデーツを食べることが理にかなっている、もう一つの理由が、GI値の低さです。

白米:84
食パン:91
バナナ:55
デーツ:47

 

GI値とは、グリセミックインデックス(Glycemic Index)の略称で、食後に血糖値がどのくらい上がるかを示した数値です。
GI値の高い食品は血糖値が急激に上がりやすく、低い食品は血糖値は穏やかに上がります。
血糖値が急激に上がったら、その分、血糖値を下げるためのインスリンも過剰に分泌されることになります。
この結果、糖分は脂肪として溜め込まれて、結果的に太る(原因となる)わけです。
また、血糖値が急に上がり、インスリンによって急に下がるということは、すぐにお腹が空いてしまうことにもつながり、結果的に間食を摂りたくなってついつい間食が多くなって太ることも考えられます。

それだけでなく、昼食後に眠気に襲われた方も少なくないのではないでしょうか?
筆者もかつては、職場での昼食後、眠気に襲われて1時間程度は仕事もはかどりませんでした。

これは、空腹時に食事を摂って急激に血糖値が上がり、これに伴ってインスリンも過剰に分泌されることによって「血糖値スパイク」が起きることが原因で、眠気を催したりボーっとしたりで、人によってはイライラする場合もあります。
これを繰り返すと、膵臓が疲弊することになり、慢性糖尿病の原因にもなると言われています。

 

SpikeGlukosa
血糖値スパイクのイメージ
(出典: ウェブサイト 健康管理能力検定 より拝借。該当記事 “お正月の食べすぎに注意!? 血糖値スパイクとは” (2020年11月16日記事)

 

GI
(出典: ウェブサイト 食の専門家Blog より拝借。該当記事 “グリセミックインデックス(GI値について)” (2017年11月3日記事)

 

白飯(精白米)とデーツのカロリーと炭水化物(すなわち糖分)は、ほぼ同じであるにもかかわらず、GI値の違いで血糖スパイクの起こりやすさ、肥満になりやすさ、糖尿病になりやすさが大きく異なるということです。

また、デーツを最初に食べることは、セカンドミール効果にもつながります。
セカンドミール効果とは、最初に摂る食事が次に摂る食事にも影響するというものです。
デーツに限らずGI値の低い食品から最初に食べることで、その次の食事がたとえ高GI値の食品や炭水化物の多い食品であっても、血糖値を急激に上げにくくするというものです。
(お弁当を食べるときは、先に白飯ではなく、GI値の低いおかず(肉や魚)から食べるほうがいいのです)

なので、断食後の空腹時に最初にデーツを口にしてから他の食品を食べることは、結果的に血糖値を急激に上げにくくして眠気を催すことを防げるだけでなく、慢性糖尿病の予防にもつながります。

 

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本日の朝食(サフール:sahur)と夕食(イフタール:iftar)

本日のFajar(暁:夜明け前)3:46、Magrib(日没)18:40
前夜の就寝時刻 23:00、起床時刻 2:35
(土曜日で休みだったので、サフールを食べ終えて3時間半後に約10時間も爆睡しました)

 

Safur24Apr
朝食(サフール:Sahur):3:26食事完了

 

Iftar24Apr1
Iftar24Apr2
夕食(イフタール:Iftar):19:08

 

 

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