【レポート】アルゴ・ブロモ・アングレック・ラグジュアリー
2012年5月2日にスラバヤ・パサールトゥリ駅からジャカルタ・ガンビル駅まで、アルゴ・ブロモ・アングレック号のラグジュアリー・クラス車両に乗車してきましたので、レポートいたします。
乗車券に引き換え
駅で乗車券に引き換える必要があります。E-チケットのままでは乗車できません。
乗車券発券機でE-チケットのバーコードまたは予約番号の手入力をすると、乗車券(Boarding Pass)が発行されます。
プラットホームへ入るときに、この乗車券とパスポートを提示し、乗車券のバーコードを駅係員にスキャン(すなわち改札)されてから、プラットホームへ入ることができます。
入場券はないので、お見送りの方とは、ここでお別れです。
余談ですが・・・
昔(2010年くらいまで)は乗車券を持っていなくてもホームに入ることは可能でした。改札口で身分証提示も求められなかった時代です。
バンドゥン駅(Bandung・西ジャワ州)やスラバヤ・グブン駅(Surabaya Gubeng)のように線路で南北あるいは東西に隔てられている場合はホームの中を通らせてもらってショートカットもできたのですが、今は保安上不可となっております。
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車内はまるで飛行機のビジネスクラス
インドネシア鉄道の1等車に相当するエグゼクティブ・クラス(Kelas Eksekutif)が、このような車両になっているのに対し、、、
特等車とも言えるラグジュアリー・クラス車両(Kelas Luxuay)は、このような感じです。
まるで飛行機のビジネスクラスのような座席、、、
出典:ANA公式ホームページより
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/promotions/787-9/product/
アルゴ・ブロモ・アングレック号の外から
エグゼクティブ・クラス車両
ラグジュアリー・クラス車両
運行路線とお値段
現在、インドネシア鉄道の全路線中、ジャカルタ・ガンビル駅(Jakarta Gambir)ースラバヤ・パサールトゥリ(Surabaya Pasar Turi)駅間を1日2往復走行するアルゴ・ブロモ・アングレック号(Argo Bromo Anggrek )にのみ、1両だけ連結されております。
1両だけなので、18席のみ。
よって、お値段も強気の125万ルピア(約12,500円。2019年5月時点のレートで約1万円)。
導入した1年前からしばらく(半年ほど?)の間は常に満席状態。オンライン予約サイトを覗いても、ほぼ常に「満席」でした。
但し、2019年5月現在はひと段落しており、断食月を終える前後やレバラン(Lebaran)中の帰省期間を除けば、座席が取れないということはないと思われます。
(私が乗車して時は、半分ほど、すなわち約9名の利用でした。)
いざ、乗車
荷物を抱えて、ラグジュアリー・クラス車両に乗り込みました。
ちょっと寒いかも
エグゼクティブ・クラス同様、冷房がガンガン効いていて、寒いです(苦笑)
よって、上に一枚羽織る程度ではなく、ジャケットを着こんでおいたほうがいいでしょう。日本が冬の時に渡航した場合は、スーツケースからコートを一枚出しておいてもいいと思います。
ただ、ラグジュアリー・クラスの場合、毛布が無料で貸し出され、アイマスクを無料で貰えます。
さほど寒いのが気にならない方は、この毛布一枚でも大丈夫かもしれません。
ちなみに、車内で表示されている温度は、常に22℃でした。
(日中32℃前後、夜間28℃前後の外気で、22℃の室内は寒いと思います)
車内サービス
列車が発車してしばらくすると、客室乗務員のおねえさんが飲み物、弁当、デザートを配りにきてくれます。
私は夜行便に乗車したため、出発前に駅のレストランで夕食を済ませてしまっておりました。
もう満腹であり、夜の遅い時間にさらに食べるのは難しかったため、残念ながら弁当だけは放棄しました。
昼行便(朝出発)の場合、朝食を済ませて乗車して弁当を受け取り、昼食時間にいただくのが理想かと思われます。
夜行便(夜出発)の場合は、可能なら夕食は夕方に済ませるか夕食を摂らずに乗車したほうがいいかもしれません。
ラグジュアリー・クラス以外でも弁当や飲み物はありますが、車内販売で買う必要があります。
無料でついてくるのは、ラグジュアリー・クラスのみです。
但し、販売も含めて、ビール等のアルコール類はありません。
(飲みたい場合は持ち込んでください)
座席の設備
パーソナルモニター
パーソナルモニター。
私が乗車した時の話ではありますが、正直申し上げて、ほとんど役に立ちませんでした(苦笑)
メニューとして、映画、音楽、ニュース、教育、ゲーム、案内(?)、など飛行機の国際線のパーソナルモニター並みにあるのですが、、、、
音楽以外、完全に使用不能でした(苦笑)
音楽も、ダンドゥッドなどインドネシア音楽の番組が数個程度。
ハードは新しいものを導入しても、ソフト面が(1年経っても)まだ追いついていない状態・・・
(しかも、モニターに表示されている時刻が全く合っていません。撮影時 19:55 なのに表示時刻 03:54(苦笑))
セーフボックス、コンセント、USBアダプター
シート横のセーフボックスと充電用コンセント
貴重品はここへ入れ、鍵をかけておくことができます。
私の場合、お金とパスポートの入ったポーチをこの中に入れて施錠し、鍵は自分のズボンのポケットに入れておりました。
注意!:到着降車前に必ず引き取るのを忘れないように。入れて施錠したことを忘れたまま降車してしまうと、元も子もありませんので。
セーフボックスの下に、スマートフォンなどの充電用のコンセントとUSBアダプターがあります。
私のシートだけだったかもしれませんが、、、、
コンセントに差し込んでも、通電されておりませんでした(苦笑)
ただし、USBアダプターは生きており、こちらからスマートフォンへの充電はできました。
リクライニング
コントローラー
上側は、座席を動かすスイッチです。
左側のスイッチを押すと、シートが戻の位置に戻ります。
(なぜスイッチが2つになっているのかが不明)
中央のスイッチを押すと、座席の足の部分が上がって足をまっすぐに伸ばすことができます。
右側のスイッチで背中の部分も倒れ、ほぼフルフラットになります。
夜行便も多く走っているのに、寝台車の設定がないインドネシア鉄道。
座ったまま眠りにつくのは至難の業(人にもよると思いますが)。
特に夜行便でシートをフルフラットにできるのとできないのとでは雲泥の差です。
アルゴ・ブロモ・アングレック号の夜行便ですと、ジャカルタ・ガンビル駅発が21:30、スラバヤ・パサールトゥリ駅発が20:00。
発車したら、弁当を食べてスマートフォンを多少触って、就寝タイムになると思います。夜の発車から朝の到着まで、ちょうど9時間(遅延がなければ)。
シートをフルフラットにして、アイマスクを着けて、到着までグッスリ。
列車ですので、当然揺れます。走行時の騒音もあります。また、保安上、車内は消灯されません。そして、ラグジュアリー・クラス車両の連結位置は、先頭(機関車)から3番目あるいは最後尾ですが、先頭から3両目の場合、ずっと警笛の音が聞こえてきます。インドネシア鉄道の運転士は、なぜか絶えず警笛鳴らしながら運転していますので。シートをフルフラットに出来るとはいえ、快眠が得られるという保証はありません。ここは個人差です。私の場合は、爆睡できましたが。
コントローラーの下側は、パーソナルモニターのコントローラーになっておりますが、先程述べました通り、ほとんど役に立ちませんでした。
読書灯スイッチもありますが、車内は消灯されないので、特に使う必要はないでしょう(笑)
ちょっと残念
余談ですが、、、
これ、食事などの時用のテーブルが収納されているわけですが、、、、
(おそらく私のシートだけだと思いたいですが)壊れており、テーブルが出せませんでした(苦笑)
運行開始して1年も経つと、細かな部分でボロが出始めるのは当然なので、このような細かな部分のメンテナンスまできちんと出来るようになると素晴らしいのですが、、、
この点は、まだまだなのかもしれませんね。
そして、到着
昼行便についてはわかりませんが、夜行便の場合、、、
到着10分前くらいに、客室乗務員のおねえさんが一人一人起こしてくれます(笑)
シートを元の姿勢に戻そうとしてスイッチがわからずに戸惑っていたら、(客室乗務員の)おねえさんがスイッチ押してシートを戻してくれます(笑)
そして、熱いおしぼりを配ってくれます。
目覚めにこの熱いおしぼりで顔を拭くと、ホントに気持ちいい(笑)
このサービスも、ラグジュアリー・クラスのみです。
駅に着くと、、、
(座席クラス・車両に関係なく)ポーターのおっさんがいっぱい乗り込んできますので、荷物が多い、重い、などで大変であれば、頼めば運んでくれますので、利用しましょう。
ポーターは指定の制服(シャツ)を着ていますので、一目でわかります。
また、駅のポーターはしつこくありません。(運搬を)尋ねられても不要なら断れば、それ以上は何も言われませんので安心してください。
荷物の運搬を頼む場合は、最も重いものを指さし、運んでもらいましょう。荷物1個あたりの相場は2万ルピア(約200円。2019年5月現在のレートで約160円)です。
タクシー乗り場あるいはバス乗り場まで運んでくれて、タクシーあるいはバスのトランクルームに入れるところまでやってくれます。
注意:駅でGrab
Grabは駅構内まで入って来れない場合が多く、その場合は車道まで出なければなりません。タクシーに乗り込んだほうが早い場合が多いので、タクシーを利用する場合はタクシーの客引きは一切無視して、ブルーバード・グループのタクシーを探してください。水色の車体で、かつ、フロントガラス上部に「BLUE BIRD GROUP」と書かれたステッカーが貼られています。特にジャカルタでは、いまだにブルーバード・タクシーの偽物が多く走っていますので、引っかかってボッタくられないよう、ご注意ください。
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総括
日本円で約1万円を払ってまで乗車する価値があるかというと、私の感想では、「あると思います」。
そして、昼行便よりも夜行便で、その価値は大きいかと思われます。
約1万円で、ほぼフルフラット可能なシートで(毛布、アイマスク付きで)就寝でき、弁当、デザート、飲み物3本付きで、朝は熱いおしぼりでスッキリ。
走行時間は9時間ですが、夜行便の場合は車内泊ですので、ホテル1泊分が浮きますし、夜に発車して寝ていると朝に着きますから、「暇を持て余す」感や「時間の無駄」感は、さほどないかと思います。
一方、特に昼行便に乗車する場合ですが、、、、
暇を持て余す覚悟は必要かもしれません。
上に書いた通り、パーソナルモニターはほとんど役に立たない可能性があります。
USBアダプターから充電できますので、スマートフォンまたはタブレット、あるいはノートパソコンを持ち込まれたほうがいいかもしれませんね。
(昼行便であってもシートはフルフラットにはできますので、寝るという選択肢もありますが)
別の特等車両「プライオリティ・クラス」乗車レポート
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