【制度・税制】インドネシアの消費税って何%??

10月15日の臨時閣議で安倍晋三首相が表明した、2019年10月からの消費税の10%へのアップ。
その中には、軽減税率として食料品は8%に据え置くが店内での食事(すなわち外食)は10%に引き上げる、といった内容が盛り込まれている…





消費税は世界じゅうの国々で導入されており、インドネシアでももちろん消費税はあります。
われわれ日本人がインドネシアへ旅行に行ったときにも少なからず物品の購入をします。
食事もしなければ、死んでしまいます(笑)し、お土産だって買いたい…

 

そのような時に、消費税はどのようにかかってくるのか、紹介したいと思います。

 

インドネシアの消費税は10%

インドネシアの消費税に相当する税金は、付加価値税(Pajak pertambahan nilai:略してPPN)と呼ばれています。

pajak:税金
pertambahan nilai:付加価値

 

日本の消費税に相当する付加価値税(PPN)は、基本10%です。

すでに、日本よりは高い税金がとられているのです….

 

と言いたいところですが、実は、この付加価値税(消費税)の対象外の項目が結構多いのです。

 

 

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生活必需品は消費税がかからない

以下に列挙する項目は、実は消費税(すなわち付加価値税)がかかりません。

インドネシア財務省付加価値税に関する説明パンフレットより抜粋翻訳)

 

A. 付加価値税がかからない物品

1、鉱物資源または直接採鉱されるもの
原油、天然ガス(但しLPGなどは除く)、地熱、鉱石類、石炭

2、多くの人が必要とする基本的必需品(生活必需品)
 米、籾(脱穀前の米)、とうもろこし、サゴヤシ、大豆、塩 (*1)、肉、卵、牛乳、果物、野菜

3、ホテル、レストラン、屋台、ケータリングサービスで提供される食事(※注1)

4、貨幣、地金(金塊)、有価証券

 

B、付加価値税がかからないサービス

1、医療サービス
病院、診療所、歯科から緊急医療、助産師、そして動物病院まで「医療」のすべて

2、社会福祉サービス
孤児院、養護施設、消防、事故救援、葬儀・荼毘・埋葬など

3、郵便切手での郵送

4、金融サービス
定期預金の利子、貸金・融資、クレジットカード(注:クレジットカードでの支払い、ではない)

5、保険サービス

6、宗教サービス

7、教育サービス
 一般教育(学校教育)、職業教育、特別教育、サービス教育、宗教教育、学校外の学術教育および教育サービス(塾、予備校など)。

8、芸術・娯楽サービス(※注2)

9、商業広告のないテレビ・ラジオ放送

10、輸送関係
国際航空輸送、国内航空輸送、海上・陸上の公共交通機関による輸送(運賃も)

11、労働関係
労働サービス、労働斡旋サービス、労働訓練サービス

12、宿泊関係
ホテル、宿泊施設(※注1)

13、政府機関の提供する公共サービス

14、駐車場サービス

15、公衆電話(※注3)

16、郵便為替による送金

17、食料・ケータリング(※注1)

 

※注1
付加価値税つまり消費税(国税)はかかりませんが、地方税としてホテル税(10%)、レストラン税(5~10%)、サービス料(10%)がかかります。

※注2
付加価値税つまり消費税(国税)はかかりませんが、地方税として娯楽税が10~40%かかります。

※注3
公衆電話はたいていの場合壊れていて使えません(笑)
WARTELという電話屋(個人で電話を持っていない人が利用する店舗)が昔は多くありましたが、インドネシアにおいても猫も杓子もスマートフォンを持つご時世であり、ほとんど姿を消しております。

 

まとめ

「持ち帰りの食料品に限り8%に据え置く」だの「レストランはもちろんスーパーやコンビニのイートインスペースで食べる分は10%に引き上げる」だの、ケチ臭いことばかり言っている日本。
何でもかんでも一律に消費税をかけてしまう日本とは違って、インドネシアでは「生活に最低限必要なモノやサービスには消費税はかけません」とハッキリしております。

 

すなわち、生活に必要な「食料品、医療、教育、宗教」には消費税がかからないのが、インドネシア。
(外食は別の税がかかります。また、小麦(ほとんど輸入)は免税ではなく、免税対象外の食料品もあります。)

宗教は国民の義務としており、イスラム教・キリスト教カトリック・キリスト教プロテスタント・仏教・ヒンドゥー教・儒教のいずれかから一つを選択する必要があり、KTPと呼ばれるマイナンバー付身分証にも信仰宗教の項目があるくらいです。
(だから「無宗教・無神論」は許されない)

教育と宗教は国民の義務として課している代わりに、これに必要なサービスと物品には消費税は課さない。スタンスがハッキリしております。

 

インドネシアへ旅行して、ホテルやレストランで食事をすると(消費税はかかりませんが)サービス料とレストラン税がかかるものの、スーパーマーケットやコンビニで買ってホテルに持ち帰って食べる分には、税金はかかりません。
(インドネシアのコンビニやスーパーマーケットもイートインスペースを備えている店舗が増えています。しかし、ここで食べて帰っても外食扱いにはなりません。つまり、イートインスペースで食べても消費税はかかりません。)

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ただし、酒類は非常に高い

日本人なら、旅行先でもビールを飲みたい、という方は多いかと思います。
インドネシアでもビールは飲めますが、他の食料品、飲料に比べて、非常に高いです。

ビールはインドネシア産のビンタン(BINTANG)でも、約200円~250円。
日本のスーパーで買うビールよりも高いくらいなので、物価が日本の3分の1~5分の1のインドネシアでは、とてもお高い値段です。
(ちなみにAQUAというミネラルウォーターが500mlで約40円、500mlのジュース・紅茶類で約80円、ヤクルトは5本1パックで約85円)

日本人御用達の店で日本酒なども売っておりますが、一升瓶で約1万円、なんてことも。
これは、輸入関税のせいです。

では、日本出国時に空港の免税店で買った酒類を持ち込めばいいじゃないか、と思われますが、旅行者個人に対しても1リットル以上の酒類には350%の関税がかけられます(苦笑)
(空港の税関で止められて、関税支払いに合意するか1本以外の残りをその場で廃棄するかの選択を迫られます。)
一升瓶(1800ml)1本で350%の関税ですので、持ち込む場合は半升瓶(720ml)を1本だけにしておいたほうが無難でしょう。

 

また、生活必需品には付加価値税すなわち消費税はかかりませんが、生活必需品ではないもの、特に「ぜいたく品」には高額な奢侈税(しゃしぜい)が別途かかります。

 


*1:塩について「ヨード化の有無を問わず」とある。
インドネシアでは通常、スーパーマーケットで売られている食塩は「ヨード化塩」すなわちヨウ素を食品添加物として含まれた食塩がほとんど。
これはインドネシアに限らず、日本以外の海外諸国ではこれが非常に多い。理由はヨード欠乏症対策のため。
ただし、日本ではヨード化食塩の流通販売は一切ない。理由として、日本人は海藻を食べる習慣があり、海藻にはヨウ素が豊富に含まれているため、ヨード欠乏症にはほとんどならないこと、そして日本ではヨウ素が食品添加物として認められていないことが挙げられる。
ヨウ素が食品添加物として認められておらず、ヨウ素を含む食塩の輸入持ち込みも原則禁止されているので、インドネシアに限らずスーパーマーケット等で買った食塩を日本に持ち帰ることは控えたほうが無難。
但し、お土産用に人気のあるバリ島の海洋深層塩はヨウ素は含まれていないものがほとんどなので、これは日本に持ち帰っても問題ない。

 

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