【インドネシアの次期首都予定】カリマンタンとは?
8月26日、インドネシア共和国大統領ジョコ・ウィドド(通称:ジョコウィ)は、首都を現在のジャカルタから東カリマンタン州(Kalimantan Timur)へ移転することを正式に表明しました。
しかも、首都ジャカルタや第二の都市スラバヤのあるジャワ島ではなく、ジャワ海をはさんで北にあるカリマンタン島(Pulau Kalimantan)への移転です。
移転と言っても、今日の明日すぐに変更されるわけではなく、5年後の2024年から省庁など政府機能が順次移転を開始する(予定)、というものです。
カリマンタン島とは?
上のGoogleマップを見ていただければ、大まかな位置関係がお解りいただけるかと思います。
世界第3の島面積を誇るカリマンタン島ですが、ボルネオ島とも呼ばれており、この一つの大きな島に国が3つ(インドネシア、マレーシア、ブルネイ)あります。
ただし、インドネシアでの呼び方は「カリマンタン島(Pulau Kalimantan)」、マレーシアおよびブルネイでの呼び方は「ボルネオ島(Pulau Borneo)」。
ちなみに、カップルまたは親子連れの家族が海外旅行で「ボルネオに行ってきます(行ってきました)」というのを時々聞くことがあると思います。
また、旅行会社のパンフレットに「ボルネオ XX日間の旅」というのを見かけることもあると思います。
これらの場合はほとんど、マレーシアのサバ州・コタキナバル(Kota Kinabaru)、あるいはコタキナバルとサンダカン(Sandakan:サバ州)のセットを指します。
カリマンタン島/ボルネオ島の南側の約3分の2がインドネシア領となっており、西から順に西カリマンタン州(Kalimantan Barat)、中部カリマンタン州(Kalimantan Tengah)、南カリマンタン州(Kalimantan Selatan)、東カリマンタン州(Kalimantan Timur)、そして、北カリマンタン州(Kalimantan Utara)を構成しています。
具体的な首都移転先
首都の具体的な移転先について、「クタイ・カルタヌガラ県と北プナジャム・パスール県にまたがる地区」(時事通信記事より)、あるいは「Sebagian Kabupaten Penajam Paser Utara dan sebagian di Kabupaten Kutai Kartanegara」(KOMPAS.com より)とあります。
(クタイ・カルタヌガラ県の位置)
クタイ・カルタヌガラ県は、東カリマンタン州都・サマリンダ(Samarinda)と東カリマンタン州最大の都市で石油積出港でもあるバリクパパン(Balikpapan)のちょうど中間。
一方、北プナジャム・パスール県は、バリクパパンの南西。
共通して言えるのは、現在、何もない場所で、ただただ森林が広がっているだけのような場所であること。
これから、すなわち2024年から順次、この何もない場所を切り開いて、新たな都市を造成する(予定)、ということです。
以前も首都移転が画策されていた
実は以前から、ジャカルタからの遷都は企図されていたのですが、その度に企画倒れとなっていました。
その典型ともいえるのが、現在の中部カリマンタン州都・パランカ・ラヤ(Palangka Raya)。
出典:detik.com より
https://finance.detik.com/properti/d-4547274/ibu-kota-mau-pindah-pencarian-rumah-di-palangka-raya-naik-500
ここは、元々は何もなかったところなのですが、スカルノ政権時代の1957年、ここに都市建設を開始。
新たな都市を建設して、ここに遷都することを企図したわけですが、都市は造ったものの結局遷都はボツ。
2019年になって首都移転の話が出てきた当初、移転先の第一候補となったのは、このパランカ・ラヤ。
以前に首都移転を目的として作られた都市なのですから、移転するならここになるのが順当と思われていましたが、結局、何もない場所に新たに造成することに。
カリマンタン旅行記
私は(首都移転先の予定の)東カリマンタン州には、まだ足を踏み入れたことはありません。
これまで訪問したことがあるのは、西カリマンタン州都・ポンティアナック(Pontianak)と、南カリマンタン州都・バンジャルマシン(Banjarmasin)。
(カリマンタン島/ボルネオ島の全体を含めると、小国ブルネイ(Brunei Darussalam)にも2回訪問しています)
ポンティアナックとバンジャルマシンの旅行記を順次掲載いたします。
カリマンタン・その1: 赤道を跨ぐ!ポンティアナック
カリマンタン・その2: ポンティアナック・カプアス川クルージング
カリマンタン・その3: ポンティアナックのB級グルメ
カリマンタン・その4: 東南アジアのヴェニス・バンジャルマシン
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